2010-04-28

「尊敬する人は?」

と言われると、正直に答えに困ります。偉そうなことを言うつもりも、驕るつもりもありません、物心ついた時から、「あの人のようになりたい」という思いを 抱いたことがないのです。たしかに偉人・著名人と言われる人々の中には「すごいな!」と思う人はいますが、大体実際にお会いしたことがない、話したことが ないので、実感がない。やはり自分の目や耳で感じない限りは、「尊敬」という強い感情はあまり芽生えないというのが正直な感想です。

そういった意味では、実際にお会いしたことのある著名人で、「あの人は素敵な人だ」と思った方がお二人いらっしゃいます。一人は偉大なる野球人の王貞治さん、 そしてもう一人は大好きなジャズミュージシャンのジャッキー・マクリーンですね。ほんの数十秒の会話でしたが、お二人とも印象深い方々でした。そういった 意味では「尊敬する人物」とほとんど同義語に近いかも知れないお二人についてのエピソードを二回に分けて書いて見たいと思います。今回は王貞治さんのエピ ソードを。

小学校に上がる前ですから、5歳だかそこらの時だったと思います。近所の友達のお母さんが、僕ら近所の子供を何人かつれて後楽 園球場に巨人-阪急の日本シリーズに連れて行ってくれたことがあります。調べてみると、1976年と1977年に同じカードがあり、両年とも阪急が日本一になっていますね。そうなると多分1977年だったと思います。

当 時は阪急の韋駄天、福本選手が大好きで、阪急ファンを自負していた僕。初めて野球場に行くという経験が日本シリーズということもあったのか、そのすごさを 感じていたと同時に、興奮しまくっていたに違いありません。あろう事か、球場につくなりおなかが痛くなってきたのです。何回かトイレに行ったのですが、一向に収まらない状況でした。仕方なく引率のお母さんに連れられて、医務室に行く事に。

状況が状況だけに、そこまでの道のりがやけに長く感 じられたのですが、その通路の向こう側からはバットを担いだ背番号1が歩いてくるのに気がつきました。アンチ巨人軍とは言えども、それはそれは有名な選手 でしたから、辛さを我慢して歩きながらもその姿から目を離すことは出来ませんでした。すると王さんも僕の視線に気がついたのか、はたまた小僧が腹を抱えな がら女性に手を引かれているのが珍しかったのか、すれ違うタイミングで、声をかけてくださったのです:

ボク、どうしたんだ、大丈夫かい?

と。そのパッチリした目で見つめられてしまった僕はなんと答えたかは覚えていませんが、友 達のお母さんが状況を説明してくれたらしく、「そうか、じゃあ気をつけるんだよ!」と頭を撫でてくださり、颯爽とダグアウトまで向かわれたのを覚えていま す。試合前の忙しいときにも、子供に気をかけてくださるやさしさは30何年経った後も覚えていることが出来る。王さんのお人柄に触れることが出来たよい思い出のひとつです。

後編につづく。。。

3 件のコメント:

ろみこ さんのコメント...

素敵なお話、ありがとう。

実は私の尊敬する人の一人に、メジャーリーグのMike Cameronがいます。 奢った所が全くなくて、誰にでも優しくて気の利く方(らしい)です。 

数年前、彼が地元だった頃、観客が誰もいない球場で選手の練習を一人で見ていた私。 すると私に気付いた彼が、声をかけてきてセンターから走って来てくれました!!

ところが、あまりの事に気が動転した私は、あろうことか、「ひゃー!」 という奇声を発しながら逃げ出してしまいました。。。
私って何たる無礼者!(苦笑)

Takomushi さんのコメント...

おなかが痛くなる感じ、近年いつぞやも拝見させていただいているため、大の大爆笑です。

いい話ですね。王さんの目線と子供時代のP303さんの目線。王さんの目線が降りてくる感じ。とても暖かいですね。

自分は、山本寛斎さんに飲み屋で発見。
「キミは何モンだ?」と声をかけてもらい、秘書の人と名刺交換をさせてもらいました。 本人は海外へデザインの勉強にいったとき、誰も知らない土地で一期一会にすごい感謝していたそうです。そのため、ぺーぺーの感じの自分にも声をかけてくれたのかもしれません。

ybkz55 さんのコメント...

>ろみこさん
それ、かなり無礼です!(笑。でも何かそれ、メジャーっぽくていいですね。やっぱりプロスポーツ選手って、どっかしらそういう「近づき易さ」というか、親近感があってほしい存在ですからね。アメリカンは特にフレンドリーな人はすごくオープンだから、余計にうれしさが増しますね。ボールパーク、行きたくなるなー。

>takomushiさん
あー、そういわれるとおなかが弱いのは昔からなんですね、きっと。いま気づきました!王さんの目はなかなか優しかったですね。ヤマモトさんは、一緒に呑んだらおもしろうそうですねぇ~。