以前から井原剛志氏の「ヴァンガード」の発音がたまらなく気に入っていたのが、トヨタのヴァンガードのCMです。
さて、このたび新しいCMに変わりました。フリーになってガッツリ商売をしている滝川クリステル氏の登場です。しかもfeat.子供店長という豪華さです。
さて、なぜこれを話題にするかというと、『クリステル素敵!!!』などという事は微塵もなく、コンセプトの微妙な変化が気になったからです。
共通する基本メッセージは、「遊び心のある、落ち着いたオトナの男のSUV」ということですが、まずはその「遊び」が現れる場所の変化。井原氏バージョンはあくまでも都市の中で話が完結していますが、新バージョンでは、ちょっと郊外に出るというような、SUVの位置づけが微調整されています。まぁここら辺は昔ながらに戻っている感がありますね。
次に主役が男から、女へ変わっています。あくまでも男性をターゲットにしているのですが、基本メッセージを届ける手法として、男性目線から女性目線にずらすことで、異なった共感を醸成しようとしています。滝川氏の目線を活かしたフレーミングなどは、「こんなオナゴが妻だったらなぁ」的妄想をドライブすることだけに集中した制作者の意図を感ぜすにはいられません。
そして最後に、そしてもっとも重要なのですが、それぞれのバージョンにおいて中心となる夫婦の関係性が変化しているということ。井原氏バージョンは彼の演技も手伝って、『恋人気分を今でも持ち続けている夫婦』というのが良くわかるのですが、滝川氏バージョンでは、『夫婦っぽい感じの恋人、または不倫関係』という感が否めません。もちろんこれは滝川氏が実際に独身でいるということが大きいのですが、上段で語ったような目線の演出にも大きく影響されているような気がします。
総じていうと、前バージョンのほうがクサいながらも基本メッセージが伝わってくるのに対して、新バージョンはキャスティングとその演出によって、メッセージの伝わりがややぼやかされてしまっています。タレントの力だけで強引に持っていこうとする「広告的いやらしさ」が見えてきてしまいます。
残念、な例ですね。
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