前回読んだ李登輝元台湾総統の本にも出てきた著書なので、読んでみたが、素直な感想として面白かった。「親日」色が強いということは脇においても、学校の授業では学ばない、清国支配→日本による植民地統治→中華民国による独裁支配→民主化という台湾の歴史をなぞりながら、李登輝氏と同様「日本人として」教育を受けた著者の自伝的色あいがあり、身をもって経験した歴史の流れを熱意をこめて書かれている点が魅力だ。
僕自身は祖父の代が戦争を経験しているのだが、不幸なことにどちらの祖父からも戦争の話を聞いたことがない。しかしながら往々にして日本で学ぶ歴史観、特に大戦の話は往々にして「敗戦国」としての寂しさと、その後に国際社会とのつながりの中で培われた自己否定的感があるために、日本人として出兵し、1945年後は戦勝国の人間となった著者の戦争体験というのは、僕自身には真新しく聞こえた。この点においては僕と同年代の人間には十分興味深い内容になっていると思われる。
またその一方で、戦前に日本が台湾で行った植民地政策について、またそのさまざまな政策が台湾にのこしたインフラ、教育などの良い面について紹介をしている。この点については当然賛否両論があるだろうが、おおむね台湾の年配者には好意的に受け入れられているということが良くわかる。その流れで起こる、中華民国によって40年あまり続いた独裁支配について語られる点は、「内省人対外省人」という構図を差し引いても、今までにない新しい学びであったように思える。東アジアのことは戦後の歴史がゆえに学びが難しいがゆえに。どうもこの問題は政治的イデオロギーが邪魔をしてしまって、竹を割るような物言いがしにくいが、人生の先輩による自伝的歴史エッセイと捉えると、ページをめくる手が止まらない一冊だ。
2 件のコメント:
うちの亡きじいさんは、戦争でいつも帽子やヘルメットを被っていたので禿げたと言っていたなあ。
サトウハチロウの唄を思い出します。
1百舌が枯れ木で鳴いている
オイラは藁を叩いてる
わたびき車はおばあさん
コットン水車も回ってる
2みんな去年と同じだよ
けれど足んねえものがある
アンサの薪割る音が無え
バッサリ薪割る音が無え
3アンサは満州へ行っただよ
鉄砲が涙で光っただ
モズよ寒いと鳴くがよい
アンサはもっと寒いだろ
僕の記憶だと、
「兄ちゃは満州で死んだだよ
鉄砲が重いと泣いてたよ~」
なんだけど、ネットで調べたら違ってたみたいだな。
「リンゴの唄」の作詞者ですね、サトウハチローさんは。なんか昭和歌謡ではないけど、懐かしい雰囲気は読んでるときに感じましたよ。
ウィキペディアみてたら、こんな唄にも遭遇しました。唄は近江俊郎さんというのが、昭和気分を加速させてくれます。
http://www.biwa.ne.jp/~kebuta/MIDI/MIDI-htm/Taiwanoki_no_Gaika.htm
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